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重定礼子さんインタビュー part2


前回の記事part1からの続きになっております(・ω・)b

役者時代一番困った演出家さんからの無茶振りなどはありましたか?

無茶振りというか…それは私が出した案なんですけど、自分で出した演出の案が通って稽古で泣いてしまったことがあります(笑) 昔、御茶ノ水博士の役をしたことがあって、演出で「この役はおじいさんやから紙おむつを付けたほうが良いんちゃいますかね?」という案を自分が出してしまい、皆賛成してしまっていざ稽古の時に「あっ皆に履かされる!」って考えるとすごく恥ずかしくなってしまって泣いてしまい、自分が出してしまった案ですけどやっぱりまだ紙おむつは駄目だって思ってしまった出来事がありました。勿論演出もあるけども、プラス自分からも発信していかないと…何も言われない分追いていかれてしまうこともあるのでやっぱり自分からいろいろ発案して・実践して、駄目だったら駄目で成功だったらこれどうしよっか?って言うだけでドンドン広がっていくんで。やっぱりそれは恥を忍んで!

映像の仕事もされたと聞いていますが、舞台と違いますか?

カメラには壁があるような気がして、その向こう側にはどんな目があるんだろうって思うと怖くなります。舞台であったら直接感じれるものがあるんですけど…カメラに慣れていなくて、いわれるがまま必死に演技していました。

けど、CMの撮影は凄く楽しかったです。フルで出てるやつしかやった事ないんですけど、体力勝負みたいなところがあってそういうのは得意です。

あと、格差がありますね。有名な人は靴下をスタイリストさんにはかしてもらってるんですよ。自分で履けよってね。(笑)それでも何回か顔を合わせる度に仲良くなっていくんですがね、みんな役者に優しくして上げて下さい。(笑)

やっぱり、舞台の方が好き?

とある舞台で私が一つだけ台詞を飛ばしちゃったんですよ、そしたら次の人が台詞出てこなくなっちゃって。ずっと「ああ~うう~おお~」ってなっちゃっててそこで皆が「えっ!?えっ!?」って言うてて(笑)そのまま相手の役者さん、一言も台詞出てこなくて。それで私も「何かもう…勝った気分ね…」みたいな感じで余裕かましてて。そうしたら後々お客さんも一緒に「あの人台詞忘れて皆で茶々入れてるで!ハハ~ン(笑)」みたいになっていて(笑)丁度その時演劇部の顧問同士の対決のシーンやって、顧問なのに喋れないって言うのが面白くて皆突っ込んでたけど結局舞台終わってその役者さんに「すみません、私台詞飛ばしちゃいましたよね?(笑)」って言うたら「そうですよ!」とか「やっぱりシゲが飛ばしたから台詞出えへんかったんか~何やえらい余裕かまして!!」って言われたりとかして(笑)でも一個くらい台詞飛ばしただけで次の台詞が出てこない方があきませんよね!?(笑)

でもその出来なさっぷりもまたそれはそれでちゃんと見せ物にするっていうか。皆が「出来ない!止まった!どうしよう!」とかになっちゃったら成立しないけれど、それを一緒になって「あいつどう出んねん次は~」って一緒に考えていくとお客さんもそれを見て「あっ!これはこういうことやってるんやなぁ」って一緒に遊んでもらえるって感じでね。

あなたにとって演じるとは?

アホな私でも良いってことかな。大学の教授にこの劇団を進められた時も、『君はアホだからあの劇団がいいよ』っていわれたんです。無理にりこうになったり背伸びしなくてもわたしに出来ることを見つけていけることかな。言葉にとらわれず自由に自分を解放していけば良いんじゃないかなって思います。

ありがとうございました。ところで、もう戻る気はないんですか?

一応、旦那さんが死んだら戻ります…(笑)でもどうやろなあ、今んところは…うーんでもいつかは戻ることもあるかもしれないね、そうやな、おばあちゃんになったら…(笑)

重定礼子さん、インタビューありがとうございました!(^8^)ノシ

【追記】

以上の記事は、学生たち(現2回生、インタビュー時は1回生)が、質問項目の起案から、実際のインタビュー、撮影、文字起こし、再構成まで自分たちの力だけで、まとめたものです。

最後に講師から一言。

重定さんとのお付き合いは、2010年の映画「G&G」の撮影以来ずっと続いています。桂雀三郎師匠の同名落語を、美専の教職員・卒業生・現役学生が中心となって映画化した同作のヒロインを重定さんに演じてもらって以降、ことあるごとに、互いに協力しあってきました。こういう人間関係を築いていくことこそが、個人の技術を磨き上げることと同じくらい大切なことだと、われわれ講師は常に学生に伝えています。

アニメも、実写映像も、一定の影響力をもつレベルで実現するには、どうやっても、一人ではできません。他者との協働による可能性の驚くほどの拡張ぶりを、ぜひ学生のうちに体感してもらいたい。そういう我々の願いが、この企画にも、込められています。

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