重定礼子さんインタビュー part1
関西を代表する劇団 南河内万歳一座の看板役者の一人だった重定礼子さん。
昨年座長の内藤裕敬さんとめでたく結婚され、それを機に惜しまれながら舞台から引退されました。
そんな重定さんに一回生六人がインタビューを行いました。
演技をする上で心がけていた事とは?
とりあえず自信を持って人前に立たないといけないということ。自信が無いのに人前でやりますというのは失礼ですし、だからと言って謙虚さを忘れてはいけないなと。勘違いで「演劇というものはこういうものだ」というふうに演じると見ているお客さんにばれてしまうのできちんと謙虚さを持って演じるという事ですかね。
セリフはどうやって覚えていますか?
不思議と覚えれるんですけど、私は寝る前にセリフを読んで、朝起きた瞬間にうろ覚えの箇所を読み直しますね。すると、夜の稽古の時にはだいたい頭に入ってます。
時間がない時は、電話で誰かと通話している風にみせといて台本読んだり、マスクをしてぶつぶつつぶやきながらセリフを読んだりして覚えてましたね。
周りの人に変な目で見られますよね。笑
あるある。顔に出ちゃうからね。ぶつぶつ言っているときは覚えたと思っていても稽古の時相手と掛け合いをしてみたらあんまり覚えてなかったりとかします。
役作りはどうされてましたか?
役作りは、でもまず自分の役だけじゃなくって、この台本が何を言いたいとか、どういうテーマなんだろうかっていう大きな枠をまず見て、そこで何でこの役が必要とされてるんやろうっていうのを考えて、その後にじゃあ自分の役はって、ヒントはどこに転がってるやろうと思い、その戯曲からだけじゃなく例えばこういうのを題材にしてんのかなと思たらそれに伴う小説読んでみたりとか…後は、パッション…?(笑)感性にゆだねることもあるし、そういうのでやってたかな。後は相手役とのやりとりのなかで作り上げていくとか、やっぱり舞台っていうのは一人でできへんと思うので、共演者とか作品とか観客とかいろんなの総合しての舞台と思ってるからそういう中で自分なりに拾っていかなと思ってやったりとかはしてました。それが全部破滅して終わっちゃうことももちろんあるんやけど、でもそういう作業も遊びの一環として面白いかなと思ってやってました。
役者としてやりがいを感じたのはどんなときでしたか?
やりがい…これすごいほんと難しいというか、なんか、やればやるほど辛いのよ。それこそ大学入った当時は同じクラスの仲間と何か作るってもうそれだけでも楽しいって感じやったけど、でも劇団入って、学生とは違うプロとしてやるって考えると、もっと追究しなきゃとか、どうやったらこの舞台が良くなるんやろうって考えれば考えるほど…辛い(笑)辛いなあと思って、でも結局公演一個終わって、じゃあもう次やろうって思ってるから、気持ちはね、でもそうやって考えたり悩んだり、みんなで話し合ったり喧嘩したり、なんかそんなこといろいろしながら作っていくことがすでにやりがいになってたんやろね。
自分が演じた役などたくさんあると思うんですけど、そのキャラに愛着は湧きますか?
めちゃくちゃ湧きます!もうそれこそ愛おしくて、どんな役でも、その役を貰ったということはそれは私が演じなければいけない、私にしか出来ない役作りをしたいとも思う。貰った役の一つ一つの台詞を大切にしようと思ってました。