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音だけの世界

今日はみなさまをラジオドラマの世界にご招待します。 >「ラジオドラマ集」へ

映像作品において、音の果たす役割は非常に重要です。

台詞やナレーションで語られる言葉は映像を補う情報を伝えるだけでなく、感情も伝えます。役者から発せられる声は常に感情を伴っていて、同じ言葉でも言い方一つでさまざまな意味を伝えます。テロップなどの文字表現でも情報を伝えることはできますが、いくらデザインを工夫しても、声による感情表現には及びません。

作り手が意識すべき音は声だけではありません。さまざまな物音は映像にリアリティを与えますし、背景の音は画面の枠外の空間や季節感を表します。現実の音以外にも効果音を追加すれば心理的な表現も可能です。

さらに音楽が加われば、観る人の感情に直接訴えかけます。

大阪美術専門学校 映像・アニメ専攻では、1回生の前期から「映像制作基礎」という授業などで、撮影や映像の編集だけでなく、録音や音の編集を学びます。常に映像だけでなく音も意識した制作が課されています。

さらに、2回生の後期に「音響表現」という音に特化した授業も必修化されています。

この授業の課題で、毎年、短編のラジオドラマを共同制作しています。

old_radio.gif

受講生は、一人一本シナリオを書きます。新たな企画でもいいし、「シナリオ」の授業の課題で書いたネタをラジオドラマ用に改変するのもアリです。

劇映画のシナリオでは、「映像で表現しろ、台詞に頼るな」「言いたいことを直接言うな」というのが基本です。台詞で説明したり、訴えかけたりするのは簡単ですが、それされちゃうと興ざめですよね。言葉ですくいとれない微妙な感情を表現するのがそもそも映画の目的ですから。

そういう訓練を経て、映像でどう見せるかに知恵を絞っている彼らが、音だけでストーリーや作品世界を表現するとなると、とうぜん戸惑います。そして、さまざまな工夫を凝らし、音で表現できることの可能性と限界を考えることになります。翻って、それは映像の可能性と限界を考えることにもなります。

さて、そうやって集まったシナリオを読み合わせて、一本を選び、実際にラジオドラマとして制作します。録音や編集のスタッフはもちろん、出演も学生たち自身が行います。

拙いながらも、遊び心満載のラジオドラマができ上がります。

そんなラジオドラマ、2010年から今年度の新作まで5本集めたページを作りました。

どうぞ、お楽しみください。 

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