See Buoyって何?
2009年度卒業生の西濵悠二くんから、映像制作集団「see buoy」を立ち上げたとのお知らせが入りました。
今日はこの「see buoy」のご紹介ということで、代表の西濵くんにおんじがインタビューしてみました。
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おんじ(以下O) まず「see buoy(シーブイ)」という名称について教えてくれる?
西濵(以下N)海に浮かぶブイ(sea buoy)の「sea」と見るの「see」をかけたもので、そこには、波が押し寄せる海を漂いながらも、しっかりと定点を示すブイのように、画一的な流行表現に流されがちな視覚芸術の中で、ちっぽけでも確かな視座を持つ、そんな集団でありたい、という意味とミュージシャンが漂う映像作家(ブイ)を見つけるって意味合いが込められています。
O なるほどね。ええ名前やね。さて、肝心の業務についてやけど。
N ミュージックビデオ(MV)、プロモーションビデオ(PV)、コマーシャルメッセージ(CM)、ビデオジョッキー(VJ)など、主に音楽に関わる映像を制作します。
ただ、通常の映像制作会社と違うのは、仕事を請け負うのが、登録している個人の映像作家さん。さまざまな個性をもった映像作家を用意し、ミュージシャン(メジャー、インディー、アマ問わず)が自分達の音楽に合いそうな作風の一人を選んでもらって、双方で協力して新しい表現を創り出してもらおう、というシステムです。もちろん、see buoyのスタッフも各段階でバックアップはするけれども、あくまで映像制作の主体は個人の作家であり、see buoyは依頼者の音楽家と受注者の映像作家の仲介をするだけ、というのが最大の特徴です。
O つまり、see buoyは仲介業ってことやね。一種の「出会い系」。
N そんないかがわしくないっすよ(笑)。別に映像作家さんから登録料取るわけでもないし。辞めるのも自由です。
フリーでやってる映像作家さんって一杯いるんですが、コミニュケーションが苦手な方が多いイメージで、いい作品作ってるのにもったいないなぁ、もっとミュージシャンに知ってもらえればオファー来そうなのになぁって作家さんがちらほらいてて、そういう方の間に入って宣伝、交渉を請け負う役割をsee buoyがするって形ですね。
がっつり就職じゃないので仕事は押し付けません、オファーが来たら選んでもらう感じですね、おもんなさそうならどんどん断ってもらって結構です。
自分にプラスになりそうな事だけやってもらっていいです、もちろん個人での活動は同時進行で続けてもらって構いません。
O それで儲けは出るん?
N 仕事を受けて作家さんと僕で相談して料金を決めます、それで正式に仕事が成立したら何%かをsee buoyに入れてもらいます、ちょっと何%かってのはここでは載せれませんが一律です。
儲けは運営費と主に広告費にあてます、ゆくゆくは撮影スタジオ持ったりとかもしたいですね。
O なるほど、フリーの映像作家ならsee buoyに登録しなくても仕事あるんじゃないの?
なんかメリットはある?
N もちろんそうですね、ただそれだけで食えてたり常に途切れなく仕事が来てる方は少ないかと思います。
オファーってのは作品見てもらって気に入ってもらえて初めて来るものなんで個人のHPやSNS等での宣伝きっかけでオファー頂ける事は多いのですが限界あると思います、映像作家を探してるミュージシャンからしたら一カ所のサイトに映像作家がまとまってる方が断然見やすいし分かりやすいです。
競馬のパドックみたいなものですね。
それと、サイト見てもらったら分かるんですが、【作家名】【簡単なプロフィール】【過去の作品】ぐらいしか掲載してません、つまり完全に作品で勝負です、サイト内ではキャリアに関係無く作家を平等に扱う様に心がけています。
なのでキャリア10年、受賞歴もすごい作家さんにオファーが来なくて、キャリア1年の作家にオファーが来るみたいな事もありえますね、なんかそういうのがおもしろくてsee buoy始めたんです、作家さんの向上心も上がると思いますし、映像作家同士の実力勝負だけの殴り合いの様な事がしたくて、闘技場かな?
もちろん作家同士の共作とかもできるので、いいきっかけになってくれればと思います。
O うんうん、なるほどね、お前かっこいいな!最高やな!
N フリーで映像作家やってるけどオファー量に満足していない、そこからsee buoyに登録してオファーこなして名前も売れてオファーも安定して一杯来るようになったら気持ちよく卒業してもらうってのがベストですね。
あと、『ミュージックビデオやVJやってみたいけどやった事無い』って作家さんや学生の方も同時に募集しています。
他の作家さんの撮影現場のお手伝いや見学から始めて、後々は製作のサポートさせてもらいます。
O 最後に一言
N see buoyに登録して、利用して、踏み台にして、自分だけ売れっこになって辞めていってください!
登録お待ちしております。
よろしくおねがいします!
see buoy 代表 西濵悠二
see buoy HP
サンプル動画
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いかがでしたか?みなさんも応援してあげてくださいね。
最後にちょっと、昔話を。
西濵くんは、美専在学中から積極的にミュージシャンの方々と交流を持ちながら、ライブに華を添えるVJとして活動していました。卒制は、いったん音楽から離れて、長編の本格的なドラマを撮りました。専攻内審査での試写を観て、その長回しのスタイルや往年のATG映画を思わせる私小説的雰囲気が多くの教員に支持され、特にいつもは辛口の論評で学生を泣かせるI先生に「これが映画や」と激賞されました。
卒業後は、再び音楽とのコラボレーションを追求し、様々なミュージシャン、パフォーマー、他ジャンルのアーティストと共演したり、PVを作ったり、イベントを行ったりしています。
see bouyの立ち上げに関わったもう一人の濱本くんも、西濵くんと同期。美専入学前から画塾で鍛えた正確な画力を持ちつつ、それにとらわれない自由な表現で、独特のイラストやアニメーションを制作。本業が画家のM先生も「彼の絵は、ほんまに彼にしか描かれへん絵やから、すごいわ」と評価していました。彼の卒制である実験アニメーション「111」もまた先生方みんなに絶賛されたものです。
本当にこの年の卒業制作は、他の作品もすばらしく、充実した学年でした。彼らの作品も、また別の機会に動画とともに紹介したいと思います。